チャーシューを自宅で作ってみたものの、「思ったより硬くなった」「中まで火が通っているか心配」と感じたことはありませんか。
チャーシューの仕上がりは、使う肉の部位や厚さ、火加減、煮込み方などによって変わります。
特に大きなかたまり肉を調理するときは、レシピに書かれた加熱時間だけを頼りにするのではなく、肉の厚さや大きさに合わせて調整し、中心まで十分に加熱することが大切です。
この記事では、豚かたまり肉を使ったチャーシューの基本的な作り方と、やわらかく仕上げるためのポイント、加熱するときに気を付けたいことを紹介します。
チャーシューが硬くなるのはなぜ?
チャーシューが硬くなる原因はひとつではありません。
肉の部位や大きさ、加熱方法など、いくつかの条件が仕上がりに影響します。
肉の部位によって仕上がりが変わる
豚肉は部位によって脂肪の量や肉質が異なります。
チャーシューによく使われるのは、豚バラ肉や豚肩ロース肉などです。
豚バラ肉は脂身が比較的多く、煮込んだときにコクのある仕上がりになりやすいのが特徴です。
一方、豚肩ロース肉は赤身と脂身のバランスが取りやすく、肉らしい食感を残したチャーシューに向いています。
どちらが正解ということではなく、好みの仕上がりに合わせて選びましょう。
強い火力だけで煮続けている
早く仕上げようとして、強火でグツグツと煮続けるのはおすすめできません。
煮汁が急激に減ったり、肉の外側だけが硬く感じられたりすることがあります。
沸騰した後は火を弱め、煮汁の状態を見ながら加熱しましょう。
ただし、火を弱めれば必ずやわらかくなるわけではありません。
肉の大きさや部位、鍋の種類などによっても仕上がりは変わります。
肉の大きさに対して加熱時間が足りない
同じ500gの肉でも、細長いものと厚みのあるものでは中心まで熱が伝わる時間が異なります。
そのため、
「500gだから○分」
という重量だけで加熱時間を決めるのは避けたほうがよいでしょう。
特に厚みのあるかたまり肉は、表面が十分加熱されているように見えても、中心部分まで十分に加熱されていない可能性があります。
基本のほろほろチャーシューの作り方
ここでは、家庭で作りやすい基本的なチャーシューを紹介します。
材料
作りやすい分量です。
- 豚バラかたまり肉または豚肩ロースかたまり肉……500~600g程度
- 長ねぎの青い部分……1本分
- しょうが……1片
- 水……適量
- しょうゆ……大さじ4
- 砂糖……大さじ2
- みりん……大さじ2
調味料の量は目安です。
使用する鍋の大きさや水の量、好みの味によって調整してください。
1.肉の表面を焼く
フライパンを熱し、豚肉の表面を焼きます。
肉から脂が出る場合は、油を加えなくても焼けることがあります。
全面を返しながら焼き、表面に焼き色を付けます。
この工程は香ばしさを加えるためのものです。
表面を焼いただけでは、かたまり肉の中心まで十分に加熱されたことにはなりません。
この後、煮込みによって中心までしっかり加熱します。
2.鍋に肉と香味野菜を入れる
焼いた豚肉を鍋へ移します。
長ねぎの青い部分、薄切りにしたしょうがを加え、肉がある程度浸かる程度の水を入れます。
加熱して沸騰したら、表面に出てくるアクを取り除きます。
3.火を弱めて煮込む
沸騰後は火を弱め、鍋の中が激しく沸騰し続けない程度の状態で煮込みます。
途中で肉の向きを変えると、加熱や味の付き方を調整しやすくなります。
ここで注意したいのが、加熱時間は肉の厚さによって変わることです。
500~600g程度という重量が同じでも、肉の形状や厚みは商品ごとに異なります。
厚みのある肉ほど中心まで熱が届くのに時間がかかるため、時間だけで加熱終了を判断しないようにしてください。
4.調味料を加えて煮る
肉にある程度火が通ったら、しょうゆ、砂糖、みりんを加えます。
再び弱めの火加減で煮込みます。
途中で上下を返したり、煮汁を肉へかけたりすると味をなじませやすくなります。
煮汁が少なくなりすぎた場合は焦げ付きやすくなるため、鍋の状態を確認してください。
5.中心まで十分加熱できているか確認する
チャーシュー作りで特に大切なのが、肉の中心部分の加熱です。
豚肉は表面の焼き色だけで判断せず、中心まで十分に加熱してから食べます。
家庭で確認しやすい方法のひとつが、食品用の中心温度計を使うことです。
温度計を肉の最も厚い部分へ差し込み、中心部分の温度を確認します。
厚生労働省では、食肉について中心部を75℃で1分間以上、またはこれと同等以上の加熱を行うことを案内しています。
肉の厚さ、形、開始時の温度、調理器具などによって必要な加熱時間は変わります。
そのため、「弱火で○分煮たから大丈夫」と時間だけで判断するのではなく、中心部分まで十分に加熱できていることを確認しましょう。
6.煮汁の中で少し休ませる
中心まで十分加熱できたら火を止めます。
すぐに切るのではなく、煮汁の中で少し休ませると味をなじませやすくなります。
食べるときは清潔な包丁とまな板を使って切り分けます。
生肉を切ったまな板や包丁をそのまま使用するのは避け、十分に洗浄したものを使用してください。
やわらかく仕上げるための5つのポイント
チャーシューの仕上がりを安定させるために、調理前に確認しておきたいポイントがあります。
1.料理に合った部位を選ぶ
脂身のある仕上がりが好みなら豚バラ肉、赤身とのバランスを取りたい場合は豚肩ロース肉など、好みに合わせて選びます。
脂身の量は同じ部位でも商品によって異なるため、購入するときに断面を確認すると選びやすくなります。
2.肉の「重さ」だけでなく「厚さ」を見る
チャーシューでは肉の重量に目が向きがちですが、加熱するときには厚さも重要です。
例えば同じ500gでも、
- 細長い肉
- 平たい肉
- 厚みのある塊状の肉
では中心まで熱が届く時間が異なります。
レシピに記載されている加熱時間はあくまで目安とし、実際に使用する肉に合わせて調整しましょう。
3.強火で煮続けない
煮込み時間を短くしようとして強火にすると、煮汁が急激に減ったり焦げ付きやすくなったりします。
沸騰後は火を弱め、鍋の状態を確認しながら煮込みます。
4.煮汁を煮詰めすぎない
しょうゆや砂糖を含んだ煮汁は、煮詰めるほど味が濃くなります。
長時間加熱するときは煮汁の量を確認し、焦げ付きにも注意してください。
味を濃くしたい場合でも、一気に煮詰めるのではなく、味を確認しながら調整するとよいでしょう。
5.中心温度を確認する
見た目だけでは、肉の中心まで十分に加熱できたか判断しにくい場合があります。
特に厚みのある肉を頻繁に調理するなら、食品用の中心温度計があると確認しやすくなります。
温度を測るときは、肉の最も厚い部分を確認してください。
圧力鍋で作る場合は取扱説明書を優先する
チャーシューは圧力鍋でも作れますが、圧力鍋は製品によって使用方法や加圧時間などが異なります。
一般的なレシピだけを参考にして使用するのではなく、使用している圧力鍋の取扱説明書を優先してください。
鍋に入れられる最大量や最低限必要な水分量など、製品ごとの注意事項を守って調理します。
また、加圧時間が終了しても、メーカーが指定する方法以外で無理にふたを開けないようにしましょう。
電気圧力鍋や炊飯器を使う場合も機種を確認する
電気圧力鍋には肉料理用の自動メニューが搭載されている機種もあります。
使用する場合はメーカーが案内している分量や調理方法を確認してください。
炊飯器についても、すべての製品が炊飯以外の調理に対応しているわけではありません。
取扱説明書で調理機能の有無を確認し、対応していない機種ではチャーシュー調理に使用しないようにしましょう。
チャーシューを切ったら中心が加熱不足だった場合は?
チャーシューを切ったときに中心部分の加熱が十分でないと判断した場合は、そのまま食べないようにします。
再び加熱し、中心まで十分に火を通してください。
ただし、肉の色だけで加熱状態を完全に判断することはできません。
確実に確認したい場合は食品用の中心温度計を利用し、最も厚い部分を測ります。
また、生または加熱不足の肉に触れた包丁やまな板、皿などを、そのまま加熱済みの食品に使用しないよう注意してください。
煮汁を活用するときの注意点
チャーシューを作った後に残った煮汁を、煮卵やほかの料理に使いたい場合もあるでしょう。
その場合、生の豚肉を入れていた煮汁であることを考慮し、十分に加熱してから使用することが大切です。
また、何度も継ぎ足して長期間使い続けることを前提にするのは避けましょう。
使う場合は必要な量だけを取り分け、衛生面に注意して扱ってください。
保存するときは清潔な容器を使う
チャーシューを保存するときは、清潔な保存容器などに入れます。
調理後の料理は室温に長時間放置せず、保存する場合は適切に冷却して冷蔵します。
家庭で調理したチャーシューについて、「冷蔵なら必ず○日大丈夫」と一律に判断するのは避けましょう。
調理方法や保存状態などによって条件が変わるため、できるだけ早めに食べ切れる量を作ると扱いやすくなります。
食べる際に見た目やにおいなどに違和感がある場合は、無理に食べないようにしてください。
チャーシューを料理に活用する方法
作ったチャーシューは、そのまま切って食べるだけでなく、さまざまな料理に使えます。
チャーシュー丼
温かいご飯に薄切りのチャーシューをのせ、煮汁を少量かけます。
ねぎや海苔などを添えると一品にまとめやすくなります。
チャーハン
チャーシューが少量残った場合は、小さく切ってチャーハンの具材にできます。
長ねぎや卵など、冷蔵庫にある材料と組み合わせれば、少量でも使いやすくなります。
ラーメンの具
薄切りにしてラーメンへ添えるのも定番の使い方です。
冷蔵していたチャーシューを使用する場合は、料理に合わせて十分に温めてから使いましょう。
野菜炒め
チャーシューを細切りにして、キャベツ、もやし、ピーマンなどと炒めます。
チャーシュー自体に味が付いているため、追加する調味料は最初から多く入れず、味を確認しながら調整してください。
まとめ|肉の厚さと中心までの加熱を確認しよう
チャーシューを作るときは、「長く煮れば必ずやわらかくなる」「○分煮れば必ず完成する」と考えるのではなく、肉の部位や厚さ、火加減に合わせて調理することが大切です。
ポイントをまとめると、
- 豚バラ肉や豚肩ロース肉など、好みの仕上がりに合わせて部位を選ぶ
- 肉の重量だけでなく厚さも確認する
- 沸騰後は火加減を調整して煮込む
- 煮汁を煮詰めすぎない
- 表面の焼き色だけで加熱状態を判断しない
- 肉の最も厚い部分まで十分に加熱する
- 必要に応じて食品用の中心温度計を利用する
- 圧力鍋などは使用する製品の取扱説明書を優先する
といった点です。
特にかたまり肉は、肉の形や厚みによって必要な加熱時間が変わります。
レシピの時間は目安として利用しながら、中心まで十分に加熱できていることを確認したうえで、安全にチャーシューを楽しみましょう。

